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2009年 06月 07日
昨日は土曜日に書いたように久々独立前に在籍していた坂倉建築研究所へ。
坂倉準三展の準備のために事務所やOBの皆さんが収集された資料をもとに、OBの人たちを集めての内輪の語り合う会だった。恐れ多い大先輩も多く集まられている中、お邪魔した。 六本木ミッドタウンの西側に面するこの辺り、住所では赤坂8丁目となるが、東京生まれの私には赤坂檜町のほうがしっくりくる。 写真のように都心とは思えない深々と緑に囲まれた場所。大きなヒマラヤスギは今も健在。 現在の事務所の様子も拝見した。 設計室はコンパクトかつ機能的で、ブラインド越しの緑化された外部環境が印象的。 会の進行は資料スライドをもとに進められ、当日参加の大先輩からは担当プロジェクトのう裏話も含めて貴重な話が伺えた。 簡単に書くのは難しいが感じたことを少し。 まずは当時の建築家・坂倉準三の偉大さ。簡単に言えばスーパースターである。羨望と自らの建築への情熱を成就するために集った当時の先輩方の思い。切磋琢磨の日々で生み出された建築。それは戦後萌芽期の日本の歩んできた姿とも一致する。そして改めて現存の当時の建物の写真を見て感じたのは、つくられた建物が決して画一的でないということ。 一般に建築家の名を冠にしたいわゆる巨匠事務所の場合、もっとデザインなどに画一性が感じられる。もちろんモダニズム建築の持つ規範のようなものは存在するが、プロポーション、ディテールなどにはむしろそれぞれの建物の個性を感じる。 担当された先輩方の話を聞いているうちに、さらにその印象は強くなった。いわば当時の担当者は皆、坂倉先生への圧倒的な憧れと尊敬を持ち、一方で作り手としての矜持をしっかりもって目前の課題と接していたに違いない。 難しい言説は昨日手に入れた鎌倉近代美術館での「坂倉準三展」のテキストを読み勉強させていただくとして、それとは別に当時のスタッフの皆さんが思い出を綴った「坂倉先生との思い出」という作文集を頂いた。 書いている皆さんは建築関係の執筆も多くされているが、ここはそういう内容ではなく、まさに当時の思い出。入所前の憧れやら裏話。あえて作文集と記したが、まさに既に還暦、喜寿を迎えられた大先輩の素の表情が垣間見える。 「文は人を表す」という言葉があるが、青春時代の思いを綴られた文章を読みつくづくそう感じた。
by hosoe1
| 2009-06-07 17:53
| 建築・インテリア・仕事
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